社会貢献活動を通じた
My Own McKinseyの実現
My Own McKinseyの実現
My Own McKinsey” とは、社内で多くのコンサルタントが口にする言葉です。「組織目標の達成のために個人がある」のではなく、「個々人のキャリア・ゴールを支援する」ために、マッキンゼーは独立したプロフェッショナルのための「場」を提供したいと考えています。
マッキンゼーのサポート体制のなかで社会貢献活動に携わっている齋藤遥希、杉浦由佳、羽田海帆に、どのようにMy Own McKinseyを実現しているか話を聞きました。
齋藤: 私は、元々東南アジアにおける国際開発に関心がありました。大学時代には開発経済学を専攻し、またNPOに所属して、東南アジアの社会課題を現地の学生と議論し、課題解決のためのプロジェクトを行いました。マッキンゼーについては、民間企業のみならず公的機関やソーシャルセクターへの支援も行っているところに魅力を感じ、入社しました。
杉浦: 私は幼い頃から動物が好きで、自然保全やサステナビリティにパッションを持っています。学生時代は生態学を専攻し、気候変動に関する国際会議に学生を派遣する団体の設立、エシカルファッションに関するムーブメント発起等を行いました。気候変動国際会議に参加した際には、政府のみならず、世界の先進企業がサステナビリティ課題の解決に向け、大きく舵を切っていることを肌で感じました。その変化の波を後押ししたく、経営の意思決定の支援方法や新規事業の創出方法を学ぶために、マッキンゼーの門を叩きました。
羽田: 高校生の頃のニュージーランド留学をきっかけに、日本の教育変革に携わりたいと考えるようになりました。その時は、現地の同級生の意見を主張し交渉していく力に驚きました。ニュージーランドでは、幼少期から意見を構築し発信する場があるそうで、同質性を重視する日本の教育には不足している点だと感じました。マッキンゼーにおいては、変革に際した課題特定から仮説検証まで高速で行う手法を身に着けること、また組織自体がグローバル人材を輩出する人材育成プラットフォームになっていることから、教育変革に通ずる解決策を見出したく、入社を決意しました。
齋藤: 入社1年目は特に活動を絞らず、幅広いプロジェクトに入らせてもらいました。ファームに慣れた1年目の終わり頃から、自分の関心を周囲に伝えていったところ、東南アジアへの国際展開に関わるプロジェクトに入ることができました。その後は日本の公的セクター案件への支援に主に参加しました。3年目の後半にはハノイオフィスに短期移籍し、その後も東南アジア関連のプロジェクトに携わりました。東南アジアへの旅行は何度もしていましたが、コンサルタントとして働くことは初めての経験でしたので、現地の医療課題、市場構造や関係者との働き方の違い、現地における日本の見られ方を肌で感じました。プロジェクトの参加以外には、日本オフィスの有志チームで社会貢献活動アイデアコンテストを一から企画しました。勝ち抜いたアイデアは長期的な活動としてマッキンゼー・ジャパンが投資をします。「日本社会への意味合い」「マッキンゼーが解決できる理由」「インパクトの大きさ」「日本オフィスとして投資すべき理由」の4つの評価軸をもとに、多くの議論やプレゼンを経て決まりました。80名近くの社員がアイデアを持ち寄ったり、アジアのリーダーや日本オフィスの全社員が審査に参加したりするような、オフィスが一体となったイベントとなりました。マッキンゼーには、ここにいる杉浦さんや羽田さんのように熱い想いを持っている方が多く、通常業務に加えて休日等に社会貢献活動に関わっている人もいます。そのような方々のパッションを追求できる場を作ることができて良かったです。
羽田: 私は前述のコンテストで勝ち抜いたアイデアの1つ、日本の公立小学校教員に問題解決・協働能力を広げていくプロジェクトにメンバーとして関わりました。興味深かった点として、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、児童生徒側および教員側に必要な能力を分析したところ、マッキンゼーが日々コンサルタントとしてクライアント企業への支援のなかで採用している能力開発と多くの類似点がありました。これまでの組織改革の知見を活かした研修を提供させていただくことで、学校業務や生徒指導に改善する点があれば嬉しく思います。また、マッキンゼーでは、世界各地のオフィスの間で知見や意見の交換を日常的に行っています。教育分野においても、マッキンゼーのアムステルダムオフィスが教育の質の向上に焦点を当てた学校向けのプログラムを行った経験があり、アドバイスをもらいながら活動を進めました。マッキンゼーでは、ローカルで行う活動に関しても、ファーム全体の世界各地における支援や活動を通じて蓄積された豊富な知見があるので、インパクトを最大化することができます。
杉浦: 想いのあるテーマのプロジェクトに関われると嬉しいですよね。私はサステナビリティフェローシップという、1年間サステナビリティ関連のプロジェクトに集中的に携わることができるプログラムに参加し、金融やエネルギー、素材など、様々な業界における支援を行いました。例えば、サステナビリティビジネスへの参入を検討されていたクライアント企業に対して、業界のトレンドを可視化して参入を後押しし、具体的な参入方法を一緒に考えました。また、クライアントの方で、短期的な利益を超えて環境に良い社会を築きたいという想いを持たれている方がいらっしゃって、とても共感しましたし、自分のありたき姿を見つめ直す機会ともなりました。プロジェクト外にも、定期的に自然保全活動の現場に行く機会を持つようにしています。例えば、ファームには「ボランティア休暇」という、有給休暇とは別にお休みを取り、ボランティア活動に従事できる制度があります。私はその制度を用いて、ケニアのマサイマラにあるOloisukut Conservancyという野生動物保護区に行き、電気も水道もない環境で暮らし、自然保全パトロールや現地コミュニティとの議論に参加しました。現地の経済活動と自然保全活動の両立方法について議論した際には、両者の真の課題を見定めて解決策を考案し、コミュニティの協力を得られるように対話する力が求められているのを目にしました。マッキンゼーで学ぶ、複雑な課題を細分化し解決の糸口を見つける問題解決スキルや、それをもとに関係者の協力を促すステークホルダーマネジメントスキルが役立つのではないかと思います。
羽田: 教育関連の団体へ出向し、自分で問題解決を主導できるか挑戦したいです。マッキンゼーには出向をサポートする仕組みが整っており、また出向先として選択肢がなくとも、自分で団体と関係を築き、出向を切り拓いた方もいらっしゃいました。まさにMy Own McKinsey文化が根付いた組織だと思います。
杉浦: 社会課題の持続的な解決には、国際機関、NPO・NGOや企業など、多様なステークホルダーの協働が鍵となると思います。マッキンゼーの卒業生の中には、国際機関への就職やNPOの起ち上げをされた方も多く、現役社員と卒業生が交流する場もあります。そのような場を活用して、ネットワークを広げていきたいと思います。
齋藤: ヘルスケアサービスを通じた予防・健康づくりの領域で世の中にインパクトを出していきたいです。私はマッキンゼーでのプロジェクトを通じ、医療の枠を超えた予防・健康づくりに興味を持ちました。日本に限らず新興国においても、これから先ヘルスケアの領域は生死に関わる公衆衛生上の課題から、病気にかかる以前の未病・予防の領域に社会課題がシフトしていくと考えています。そのためには医療機関や製薬企業のみならず、保険会社、小売企業、デジタルヘルススタートアップ、環境を後押しする官公庁等を巻き込んだ問題解決が必要であり、その旗振り役を担えるようなリーダーを目指したいと思います。
齋藤 遥希(エンゲージメントマネージャー): 東京オフィス所属。東京大学にて学士号・修士号取得(経営学)。主にヘルスケア、公的機関の戦略立案に従事。ハノイオフィスに9カ月間在籍。
東京オフィス社会貢献活動のコアメンバーでもある。
杉浦 由佳(ビジネスアナリスト): 東京オフィス所属。東京大学にて学士号・修士号取得(生態学)。多様な業界におけるサステイナビリティ推進戦略立案に従事。
東京オフィス社会貢献活動のコアメンバーでもある。
羽田海帆(ビジネスアナリスト): 東京オフィス所属。国際基督教大学にて学士号・修士号取得(情報科学、教育学)。公共セクターを中心に教育・エネルギー戦略立案に従事。
ボランティア休暇を取得し、ルワンダの教育機関を訪問。